学級づくりが、最も大切な課題になってきた
奈良の土作彰先生のブログに次のような記事が出ている。
土作先生とは、授業づくりネットワークの中心メンバーの一人である。
「授業づくりができたら学級づくりはできる」あちこちに氾濫している言葉である。これは迷信である。「授業づくり」とは何か?常識的に考えて「最低45分の授業をどう組み立てるか」ということである。「学級づくり」とは何か。「教育活動全体を通してどう学級集団を創り上げるか」ということである。この両者は=で結べるか?否である。ここを見誤るから、授業さえやっていれば学級は何とかなると思う若手教師が増える。
私はつくずく思う。「学級づくりができていれば『授業』などどうにでもなる」と。
私はつくずく思う。「学級づくりができていれば『授業』などどうにでもなる」と。
今まで、「土作先生とは、『授業づくり』を優先する先生」とイメージしていたが、全然違っていた。
いやいや、思い切って「学級づくりができていれば『授業』などどうにでもなる」と言い切っておられる。
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今まで私も、このようなことを言ってきた。
私が言ってきたのは、次のようなことだ。
①学級づくりが、とても大切な課題になっている。学級づくりは、学級の土台作りで、その土台の上に、授業づくりや行事などがのってくる。もちろん、同時進行で進めていくことだが、順番は、学級づくりが最初で、授業づくりが後になる。
②「学級経営は授業で勝負」と言われ続けてきたが、それは今では成り立たなくなっている。
③学級づくりと授業づくりは、それぞれ課題や目標が違う。それぞれの作り方も違う。
以上のような視点から、今まで出版してきた本は、学級づくりに焦点を絞って提案している。
今、大きな課題になっている学級崩壊を克服していく視点として考えていったものである。
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北海道の堀裕嗣先生も、同じような提案をされている。
「現場教師が講師を務める教育研修会に参加すると、『学級経営は授業で勝負』という言葉をよく聞く。私はこうした研修会によく参加するので、この言葉を既に百回以上聞いているように思う。この言葉をキーワードとして学級経営を語る教師には、小学校の教師が多い。しかし、中学校教師たる私は、いつもこの言葉を聞く度に違和感を覚えてきた」
「学級のシステムづくりが一般に、担任から提示したルールを子ども達に定着させるものであるのに対し、授業のシステムは一つ一つ子ども達に経験させ、それらの活動の意義を一つ一つ束ねて伝えていくことによって、時間をかけて理解させていく必要がある。学級システムが生活のリズムをつくり、学校生活を機能させることに第一義があるのに対して、授業システムは子ども達一人一人の思考力を鍛え、学習に対する前向きな姿勢をつくっていくことに第一義があるからだ。従って、学級のシステムづくりは演繹的に指導してもよいが、授業のシステムづくりは帰納的に理解させていく必要がある」
「3・7・30・90の法則」 「授業研究21」4月号)
私も同様な考えである。
しかし、このように言い切ってきたのは、今まで少数派であったと思う。
堀先生と私ぐらいが、今まで言ってきたのだと思う。
今回、土作先生も、このようにはっきりと主張されている。
「学級づくりができていれば『授業』などどうにでもなる」というところでは意見は分かれるだろうが、……。(笑)
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授業さえやっていれば学級はどうにでもなるという若手が増えることを土作先生は危惧されている。
実際に、学級づくりが、普通の多くの先生の真剣な課題にはなっていないことは現実である。
私がよく言う「その日暮らし学級経営」を多くの教師達が行っている。
そして、ベテラン教師も、クラスを荒らし、学級崩壊になっている。
改めて、私は、「学級づくりが、最も大切な課題になってきた」と訴えたいと思っている。
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