自分の授業スタイルを形成するということ
11,12日の授業づくりネットワークの大会は、東京の成蹊大学で行われた。
私も、12日に「3・7・30の法則とその由来」というテーマで2時間の講座を設けた。
石川晋先生が、私の対話者であった。80名の参加者。
対話の最後に、石川先生の「最後に、野中先生から皆さんに伝えたいことはありませんか?」という問いかけに次のような話をした。
「初任者指導の仕事をするようになって、いわゆる普通の授業をいっぱい見られるようになりました。
考えてみれば、現役の頃は、研究授業を見ることはできても、いわゆる普通の授業を見ることはできませんでした。
今は、初任者の普通の授業をずっと見ています。
それらの授業を見て思うのは、『普通の授業は、問題点の宝庫だな』(笑)ということでした。もちろん、問題点ばかりではなく、メリットのところもあるのですが、ここにはさまざまに検討すべき問題点が満載なのです。
皆さんにも、ぜひともいわゆる普通の授業にもっと注目してもらいたいと思いました。
しかし、現役の先生方には、もちろん他の先生の普通の授業を見る機会はありません。
でも、よく考えてみれば、あるのですよ。自分の普通の授業です。
自分の授業をカメラで撮ったり、録音したりして、もっともっと自分の普通の授業に向き合わなくてはならないと思いました。
目をふさぎたくなりますよ。耳をふさぎたくなりますよ。
それでも、自分の授業に向き合って、その授業をどのように変えていくかを考えていくことが一番大切なことだと思うようになりました。
ともすれば、良い授業をいっぱい見て、そのいいとこ取りを自分の授業にしていくように発想しがちですが、それではだめだと思います」
ということを語った。
もっともっと自分の「普通の授業」に向き合っていくことだという話である。
優れた授業を見ていくことは必要なことである。しかし、その優れた授業をそのまま自分の授業に持ってきて、自分の授業スタイルを形成しようということは、発想が逆だと思う。
そうではなく、自分の授業に向き合い、自分の授業のどこが子供達を惹きつけ、どこが集中を欠けさせているのかという視点から検討を加えていく作業を続けていくことだ。
そうしたとき、初めて他者の優れた授業が見えてくるのだと思う。
こんなことを語ったのである。
★
こうして授業づくりネットワークの講座が終わった。
次の日、慌ただしく郷里の佐賀へ帰り、母に会い、兄弟、親戚たちに会ってきた。
いつもの暑さはなかった。いつもは、35℃以上の暑さに悩まされる。
15日には、横浜へ帰ってきた。
昼間の暑さは、こちらは厳しいが、朝夕は涼しくなる。
秋が近いのかもしれない。暑さに弱い私としてはうれしいことである。
これからアメリカのサン・ノゼへ1週間ほど出かける。
このブログもしばらくお休みである。
帰ってきたら、いくらかアメリカ報告記を載せるつもりである。
帰ってくる頃には、こちらはもう秋になっていないかなと期待している。
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