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良い勉強をして成績が上がるのではない。成績があがるから、いい勉強ができるのです。

  初任者担当の仕事をしていると、さまざまなことが見えてくる。

 その学校の先生達が、どのように学級づくりをし、どのように授業をしているのかがよく見えてくる。

 私は、初任者の授業を見ているだけなのだが、不思議に見えてくるのである。

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 最近気になっているのが、テストのことである。

 評価のあり方が、相対評価から絶対評価に変わってから、もう何年になったのだろうか。

 この変わり方は画期的なものであった。

 ベテランの先生達は、体質として相対評価が染みついていたので、しばらくは変えることができなかったはずである。

 最近びっくりしたのは、単元が終わった後に行うテストが行われずに、学期末にまとめて行うという状況が、まだあるということについてである。

 単元の学習が終われば、きちんとテストをしていくというのは、ほとんど当たり前のこととして考えていたのが、実際にはそうなっていないクラスがあるのだという事実である。

 昔は(といっても30年前の頃)、<刈り入れ時>と言って、学期末になれば、一日に3教科も4教科もまとめてテストをしていくということを普通にしていく時代はあったのである。

 それは、通信票をつけるための処方箋であった。

 ところが、今でもこんなことをやっているクラスがずいぶんあるということを知って、実は驚いている。

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 テストというものが、子供にどのように機能しているのか、ほとんど分かっていない。

 見ていない、見ようとしていないと言っていいのだと思う。

 テストは、子供達にとって、その教科の勉強の好き嫌いを左右する大事なものであること。

 このことをはっきり知っておかなくてはならない。

 だから、学期末にまとめてテストをするなんていう行為は、子供達の勉強嫌いを増幅していくものである。

 子供達の大半は、もう忘れているのであるから。

 テストは、教師が教えたことがどれだけ分かっているのかを評価するために行う。公式にはそのように教えられたきたはずである。

 今でも大半の先生方は、そのように考えられているはずである。

 確かに、その機能はある。

 しかし、現場で子供とぶち当たってやっていると、そんな機能は、ほんの一部にとどめていく必要がある。

 テストへの考え方を大きく変えなくてはならないと、私はしみじみと思ったものである。

 だから、私の場合は、テストでも普通の授業の時と同じように教えていくと考えていた。

 漢字が読めない子供は、全部ふりがなをふってあげ、その問題がどのようなことを指示しているのかを教えてあげたりすることは当たり前に行った。

「そんなことをすると、評定するときに困るのではないですか」と言われたことがある。ほんとうは、20点ぐらいしか取れないのに、80点取れたりすることに対して、通信表への評定がおかしくなるのではないかと心配されたのである。

 この先生は、自分が行っている教育行為を勘違いしている。

 20点ぐらいしか取れていない子供が、何度も80点ぐらいを取り、もしかして「ぼく、算数の勉強が好きになってきた」と思って、算数の勉強にやる気を出していくとするなら、テストは、大きな機能を果たしたことになる。

 私たち教師は、そういうことを願い、さまざまな教育行為をしているのではないか。

 しかし、現実は、20点ぐらいしか取れない子供は、そのまま放置されている。

 ともすれば、そんな子供がいてくれた方が、通信票をつけるときには助かると思っている教師もいるはずである。

 教師失格である。

 もし、このブログを読んでおられる先生で、こういう発想を今までしていたのなら、即座に、その発想は、自分の教師としての哲学(価値観)のどこが、どのように間違っているのか、反芻できなければならない。

 現場教師として生き抜いていくとは、そのような反芻が始終できなければいけないのである。

 間違った発想をする場合もあり、失敗もいっぱいする。当たり前である。

 しかし、失敗から自分を立て直していくことは、きちんとできなくてはならない。

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 陰山英男先生が、「一日3時間以上、勉強するな!」(小学館)の「93 いい勉強をして成績が上がるのではない、成績が上がるからいい勉強ができるのです」で、次のように言っている。

 「テストというのは、子どもに教えたことがどれだけ定着したかを見るもの、と思っている教師がいますが、これは間違いです。小学校におけるテストは、その単元ができるようになったと子どもに自信をつけさせるものなのです。

 ですから、テストをする前には対策が必要です。まず類似問題をやらせてみる。そして、その子どもの弱点がわかったらそこを強化してやる。こうした準備段階があれば、子どもはテストでいい点をとることができて自信をつけるのです。

 抜き打ちテストをやって子どもの自信を失わせては、やる意味がありません。自信こそが勉強の原動力です。いい勉強をして、テストが上がるのではないのです。いい点を取るからこそ、自信が持てていい勉強ができるのです。ですから、私は抜き打ちテストはほとんどしませんでした。抜き打ちテストをされて、点が悪くても気にしないようにしましょう。むしろ教師には、テストは予告してからやってくださいと言いましょう。」 

 

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