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「中1ギャップ」という問題

   「中1ギャップ」が大きな問題になっている。これは、小学校6年生が、中学校1年生になるところで、さまざまな不適応症状がでる状態を言っていることである。

 私も、ちょっと頭を抱えている状態である。私が受け持った卒業生に、実際にこの事例が現れているからである。

 石川晋先生が、自己研修通信でこのことを書いている。

 指摘されていることをあげると次のようになる。

 1,中1ギャップは、おおむGW明けの時期に最初のシグナルが顕在化する。それははっきりとして「不登校」といった形で現れる場合もあるが、その前に、保健室入室増、身体的不調の訴え、友達とのトラブルといった、様々な形で現れる。特に、GW明けから大きな行事に取り組む場合は、この行事への不適応として現れることもある。

 2,文部科学省の調査でも、いじめの発生件数が小6と中1で4倍、不登校が3倍にそれぞれ激増しているわけだから、出口(小学校側)と入口(中学校側)の周到な準備が求められる状況なのである。

 そして、石川先生が開いているサークルで、中学校の先生が提案したことのなかに、小学校への出前授業の報告が書いてある。

 授業の最後に、「中学校について何でもいいから質問してごらん」という時間を設定している。

 出てきた質問が、「月曜日は何時間授業ですか?火曜日は・・・?」「部活動は何がありますか?」…というようなものだというのである。

 石川先生は、「これが3月6日の授業の席上ででるわけだから、致命的とさえ言える現状ではないか」と指摘している。

 小学校段階での中学校への準備が、あまりにもお粗末だということである。

 確かに、小学校段階で、このようなお粗末な現状があることは、認めなくてはならないと思う。

 私が最後に勤めた小学校では、中学校の生徒会が企画して、午後から中学校を紹介する時間を設定する時間を必ず確保していたので、上のような質問にはそこできちんと答えられていた。しかし、その前の学校では、まったくそのようなことをしていなかったと言える。

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 横浜市が打ち出してきた<横浜市全体で小中連携を取り組む>という課題の1つが、中1ギャップの問題であった。

 その意味で言えば、一つの進歩であると思っている。

 しかし、課題は、お互いが取り組んでいることを全くと言っていいほどに知らないということが大きな壁である。

 小学校にとっては、高学年を考える場合、佐世保小六殺人事件が大きな課題を与えてくれたと思っている。

 あの事件が小学校の教師に与えた課題(特に高学年の教師に)は、高学年の女子のグループ問題であった。

 高学年教師にとっての最大の課題であると私は受け止めたのである。

 それは、クラスの中で、グループがいくつかでき、その間で諍いがあること、あるいは、仲良しグループの中での諍いがあること、また、グループに所属できない子供が数人必ず出てくること等の問題であった。

 佐世保事件は、仲良しグループの中での諍いであった。

 もしあのとき、担任教師が、親身に、孤立していた加害者に対応していたならば、あの事件は起きなかったのではないかと、(まったくの結果論であるが)思ったものである。

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 だから、私は、高学年女子の課題に対して次のような3つの方策を考えた。

 これから高学年教師は、この課題をこなしきれなければ、これからもあのような事件を防ぎきれないと考えたわけである。

 ①クラスの女子グループの動静について、きちんと把握する。誰が誰と一緒にグループを作っているかなど

 ②孤立している女子は、必ず動向を確認し、さまざまな接触を試みる。

 ③もめごとがあったならば、すぐに双方とコンタクトを取り、問題解決を試みる。

 私は、高学年教師は、もう特別な仕事をしていると認識している。5年生が大きな変わり目である。4年生までの対応では、とてもやっていけないのである。

 小学校の高学年教師への希望は、ほとんどない。それはもう特別な仕事になっているという認識からである。(地方の学校では、まだまだこれほどでもないことは分かっている。しかし、都市部を中心にして大変なことになっている)

 さて、こんな子供達が、中学校へ行くのである。

 中学校の先生達が、簡単であるはずがない。ものすごい課題を中1から背負うはずである。

 そこで、中学校は、どういう対応をしているのか、していこうとしているのか、さっぱり見えない、お互いに見えない、というのが現状である。

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