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 気になる「言葉づかい」

  教え子が、NHKの教育番組のディレクターをやっている。

 現在持っている番組は、「土曜親じかん」(毎週土曜日夜9:30から)である。

 そこで、言葉づかいのことについて扱うことになったらしい。

 情報集めで私へもメールがやってくる。

 最近、言葉づかいについてはかなり気にしているので、思ったことをメールにした。

 ★

 最近、親たちが、家庭訪問などで教師に向かって「ため口」で話しかけてくることがある。

 同年配ぐらいの親しみからではない。ずいぶん年配の私にさえ「ため口」で話しかける。

 戸惑ってしまうのは、私の方である。

 「先生さあ、うちの子さあ、悪さしてない?最近さあ、私も気になってるんだよね」

 別に悪意があるわけでもない。親しみを込めて私に話しかけてきているのである。

 親たちさえこうであるから、子供たちが、教室で「ため口」で話しかけてくるのは日常である。

 「先生さあ、教科書忘れたんだけど、どうしたらいい?」

 ………

 今でも、日常的にこんな問いかけをしてくる。

 ★

 新卒教師が、クラスを持って最初にやんちゃたちから「お試し」を受けるのも、この「ため口」である。(もちろん、他の担任も最初はこのお試しを受けるのだが)

 やんちゃたちは、この新卒教師がどんな教師であるかを試す必要がある。

 私は、「お試し期間」と言っている。

 だいたい、3つのお試しをしてくる。

 1つは、何か忘れ物をしたとき 2つ目は、トイレへ行きたくなったとき  3つ目は、作業が早く終わったとき である。

 新卒教師は、子供たちに気に入られたいから、ばか丁寧にやさしく対応する。

 1つめは、「先生、ノート忘れた!どうすんの?」と聞く。

 2つめは、「先生、トイレ!」

 3つめは、「先生、終わった!なにやってんの?」

 こんな調子である。

 ほとんどが、「ため口」である。

 これらを許してはならない。

 「先生、トイレ!」「先生は、トイレではありません!」「先生、じゃあおしっこ」

「先生は、おしっこでもありません。ちゃんと言いなさい」

「先生、もれそうなのでトイレに行かせてください」

「もれそうは言わなくてもいいですね」と、まず言葉づかいを直すところから入らなければいけない。

 そして、授業中にトイレへ行きたくなったときのことを全体に説明しなくてはならない。

 最初は、言葉づかいを直すところから入るのだ。

「先生に言う言葉遣いではありません。ちゃんと言いなさい」と、厳しく伝える。

 ここで、先生と生徒の上下関係を身につけさせるのである。

 やんちゃたちも、今度の新卒先生は手強いとなる。そして、今度からきちんとした言葉遣いで対応するようになる。

 お試し期間である。

 ★

 子供たちが、よく使う3つの言葉は、ウゼー、ウルセー、メンドクセーの「エ音」である。

 最後がエーとなるので、エ音と言っている。

 「ちくちく言葉」などとして今言われている。私は、「不幸言葉」と言っていた。

人を不幸にする言葉である、と。人を不幸にするだけでなく、自分も不幸にする言葉なのだ。

 お謡の世界では、このエ音は、人とのコミュニケーションを寸断する言葉として使わないものらしい。

 確かに、人を不快にする。学級崩壊になったクラスでは、もう日常的に使っていく言葉である。

 ★

 科学が進展し、現在では、私たちのもののとらえ方、考え方、行動の仕方などについてさまざまな分析が行われている。

 だが、まだまだ私たちには、心の仕組みも、脳の仕組みも、記憶の仕組みも、考え方の仕組みも、分からないことだらけである。

 ところが、最近とくにここ数十年研究が進み、大きく進化してきた分野がある。

 それは、「顕在意識」と「潜在意識」の使い分けである。(と言われている)

 以前は、左脳や右脳という言い方が一般的だったが、実際には、きっちりと脳の中では分かれているわけではない。そこで、顕在意識と潜在意識という言い方が主流になってきたと言うことらしい。

 問題は、どのように「潜在意識」を活用していくかが大きなポイントになってきたのである。

 だから、言葉遣いの重要さは、この潜在意識の問題でもあると私は思っている。

 何故かというと、言葉はこの潜在意識に溜まっていくため、知らず知らずのうちに、顕在意識での行動が、潜在意識の否定的な部分に引っ張られて、どんどん悪くなっていくということがあるはずだと、思っている。

 うまくいかない、悪いことばかり起こるというのは、そういうことだと思う。

 エ音を、不幸言葉と名付けた意味は、そういうことだ。

 

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コメント

以前、コメントした合田(東京の中学校国語科・道徳教員)です。

言葉遣いの問題は、私も「意識して」指導してきた一人です。
「線をひく」というと、なんだか「冷たく感じる」教師もいるそうですが、本当に大切なのは「線」なんですね。
私も中1のお坊ちゃま、お嬢様を年度初めに指導する場合(多くはその半年前の「体験入学」のような時から)厳しく指導します。
最近の傾向は、言葉遣いを正すと「?(きょとん)」という表情がかえってくることが増えたことです。
しかたがないので「中学校は違うのだぞ!」と、指導します。
保護者にも同様です。
もはや、日本においては(勤務校の地域においては)、学校しか「文化」を伝える場所がないのかも知れませんね。だからこそ、「よし!」とやる気を奮い起こす私です。

投稿: 合田淳郎 | 2009年3月 4日 (水) 21時53分

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