退職して、一つの不安があった
ちょっとびっくりする情報に接した。というより、私の知識不足が露呈するという事態なのだが、「これはいかん」と考えさせられた。
「『未納が増えると年金が破綻する』って誰が言った?~世界一わかりやすい経済の本~」(細野真宏著 扶桑社新書)を読んでからのことである。
私は、これまで年金の情報としては、次のような知識を持っていた。
1,このまま若者の年金未納が続くと、年金自体が破綻する恐れがある。
2,今のような年金現行方式を続けていけば、いずれ若い人たちは、年金をもらえない状況が出てくる恐れがある。
この考えが、まったくの誤解にもとづくものであることを細野は、明らかにしてくれている。
つまり、こういうことだ。
ア、日本では、「少子高齢化」が進んでいるために、「国民年金」は、若い人は払い損になるとよく言われているが、実は、若者の場合でも、実際に払う「保険料」よりも、将来もらえる年金の方が多くなる。払い損にならない。
イ、それどころか、2009年度から若者の負担を減らすために、高齢者に支払われる年金は「税金」から半分を支払われるようになることが決まっている。つまり、国民年金の個人の保険料の負担は半分ですんでしまうようになる。
ウ、国民年金の未納者の増加によって国の年金が破綻するというわけではなく、基本的には国民年金の未納者自身が将来、損をすることになる。
エ、未納や未加入によって保険料を納めていない人が増えていると言われているが、国民年金全体でみれば、その割合は実際には5%程度の人たちに過ぎない。そのため、5%の人たちが増えたり減ったりしても、全体にはほとんど影響がない。
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細野は、「数学的思考力」の力で、さまざまな資料からこのような結論を出していくのだが、ちょっと驚くばかりである。
私も、以前、細野の「『数学嫌いでも数学的思考力』が飛躍的に身に付く本!」を読んでいた。
これを読みながら、この本を読んでおけば、私の数学苦手も解消されたはずだと思ったものである。
そこで、一から数学の勉強をし直してみようと、早速、細野の「数と式『整数問題』が本当によくわかる本(数Ⅰ・Ⅱ)」を買ったものである。
忙しさに紛れて、なかなかまだ読めないでいるが、いずれ挑戦してやろうと思っている。
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退職して、一つ大きな不安があった。
自分の知的な好奇心は、教職に就いているからのもので、そこから離れたら、そういう好奇心は無くなるのではないか、という不安である。
辞めてみて、1年が経とうとしている。
もちろん、教育に関する読書はめっきり減ったが、今まで怠けてきた分野の読書への意欲が出てきたことは確かである。
ちょっとほっとしている。
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