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生活習慣が学力向上の第一の要因

   1年生の国語の学力テストの採点をしながら、ずばりどのくらいのできばえか表紙の名前を見て、診断してみたのである。今週の木曜日の横浜市の一斉学力テストでのこと。私は、採点のお手伝いをしている。

 表紙の名前を見て、「この子は、きちんとできていますよ」「この子は、半分ぐらいしかできていないでしょう」「この子は、かなりきびしいでしょう」と、予想するのである。

 一緒に採点している先生方が、そんなはずはないでしょうという顔で見ている。

 ところが、ところが、実際に採点してみると、これが当たるのである。

 ほぼ8割から9割の確率で当たってしまう。

 どうして、名前を見ただけでそんなに当たってしまうのですか、ということになった。

 どこで予想をしたのか。それは、名前をきれいに、きちんと書いているかどうかなのである。

 成績が悪い子供は、名前をいい加減に書いているか、粗雑に書いているかなどである。

 私は、1年生を4回担任したことがあるが、その過程で、この事実が分かっていたのである。

 音読をさせたら、もう少し分かる。ほぼ10割の確率である。

 もちろん、1年生ばかりではないが、学年が上がるに従って、少しずつ確率は下がってくる。

 そうすると、名前をきちんと、きれいに書かせる練習をいっぱいさせれば成績は上がってくるのか、ということになるが、そうは言えない。

 名前をきちんと、きれいに書くこと、音読をきちんとできるということは、家庭での学習習慣や学習環境が、大きく関与していることなのである。

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 陰山英男さんのホームページの新年の挨拶で、陰山さんは、次のように言っている。

「かつて、学力は家庭で伸びると主張する私を、公立小学校の校長をやっていることから『税金泥棒』と罵った教育雑誌がありました。しかし、今や生活習慣が学力向上の第一の要因であることが、かなりはっきりしてきました。事実が間違った認識を改めてくれるのです」

 このことは、陰山さんの実践が明らかにしてきたことでもあるが、全国で実施した学力テストも、その事実をきちんと明らかにしてくれた。

 陰山さんは、今回出された「百ます計算の真実」(学研新書)でも、「学力というのは三層構造でつくられます。まず底辺には健全な生活習慣があって、その上に基礎基本の学習と読み書き計算のトレーニングがあり、さらにその上に多様な学習がある。この構造をしっかり理解する必要があります」と、その内容をくわしく書かれている。

 しかし、このような事実は、すでにアメリカでは、もっとずっと早く明らかになっている。

 1964年にアメリカ連邦政府によって実施された「教育機会均等調査」(通称コールマン調査)で、「こどもたちの学力を規定する要因の大部分が家族と子供の仲間集団、すなわち地域であること」を報告し、世界的なショックを巻き起こしている。

 要するに、学校は、家庭の生活習慣、学習習慣に乗っかって成り立っていることをまずきちんと認識すべきなのだということである。

 じゃあ、学校は、何ができるのかが問われる。

 ここがまだまだ曖昧な認識である。教師にも、保護者にも、またマスコミにも、教育関係者にも、まだまだ曖昧なままで、この問題をきちんと認識していないということが、全てを複雑にしている。

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