「たつのおとしご」は、どう書くのだろうか。
初任者の研究授業のために、事前に私が、授業をした。いわゆる示範授業である。
5年生の国語(漢字)の授業。
「漢字の読み方と使い方」の2時間分の授業である。
1時間目の授業の最後に、子供たちに問題を出しておいた。
国の名前を探し出す問題である。
21問ある。「実は、私も分からない問題3つある」と正直に言った。
墨西哥( )、白耳義( )、諾威( )
そのクラスの先生からあとで聞いた。
給食の時間に、その国名を探すので全体が大変だったそうである。
ほとんどが当て字であるので、見当がつかない。
ところが、ところが、次の日の国語の時間に、ほとんどの子どもたちがプリントを提出した。
別に宿題ではなかったのだが、すごい盛り上がりである。
知的なものに反応をするクラスである。
★
2時間目は、特別な読み方をする漢字の授業である。
教科書に出てくる漢字(八百屋、果物、迷子など)などでは、ほとんど子供たちが満足する授業はできないと判断した。
そこで、海に関する漢字で挑戦しようと思った。TOSSの伴さんがどこかの本で書かれてあったものの追試である。
ざっと教科書の漢字を読み込んだ後に、次の漢字を提出する。
①海女 という漢字から入る。石川県などでは、海士(あま)であるということも説明する。これは、ほとんどの子供がすぐに読める。
②くらげは、どんな漢字になるだろうか。(海月)
③海星は、なんと読むだろうか。(ひとで)
④「たつのおとしご」は、どう書くだろうか。これは、誰も分からないと思ったが、一人の男の子が、ずばり当てた。その子は、全部解答することができた。「どうしてそんなに知っているの?」と聞くと、漢字に興味があって、前に調べたことがあったと答える。(海馬)馬の頭の方が、たつのおとしごの頭と似ているからということである。
⑤海豚(いるか) これは、ほとんどの子が知っていた。
⑥海豹は、なんと読むだろうか。(あざらし) 3人の子供が答えられた。
⑦海鼠は、なんと読むだろうか。(なまこ) これは、さきほどの男の子一人だけが答えた。
⑧海老は、なんと読むのだろうか。(えび) これも、ほとんどが読むことができた。えびは、曲がっていて、老人も曲がっているからだろうという推理。
⑨海苔は、なんと読むだろうか。(のり) これもすぐに分かった。
そこで、「海海海海海」という漢字を提出。
これは、何と読むでしょうか。全部読み方が違います。
答えは、「あいうえお」となる。「海女のあ」「海豚のい」「海胆のう」「海老のえ」
「海髪<おご>のお」となる。
時間があったので、川柳の読み方を提出した。
「同じ字を 雨雨雨と 雨て読み」
「同じ字を アメ サメ ダレと グレて読み」となる。
春雨(はるさめ)、五月雨(さみだれ)、時雨(しぐれ)から取ったものである。
子供たちは、おもしろそうに、とても授業に集中してくれた。
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