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 「一時一事の原則」を使えるかどうかが決め手である

   学校が冬休みを迎えたのだが、1つだけ書いておきたいことがあった。

 初任者の授業のことである。

 自分が授業をやっているときには、このように意識することはなかったことである。

 授業を大きく左右する技術は、やはり「一時一事の原則」だなということであった。

 これは、向山洋一さんの「授業の腕をあげる法則」で有名になった指示の方法である。

 初任者に何度も具体例を示し、指摘してきたのであるが、なかなかうまくできるようにならない。

 何か作業をさせたり、書かせたりするときには、どうしても最初にほとんど全部説明し、指示をだしたあとに「さあ、やりなさい」となってしまう。

 たとえば、次のように言う。

「今日は、図工の単元の○○○をします。どんな勉強をするのか、図工の本の24ページを開きます。そして、はさみとのりが必要なので出しておきます。あとで色画用紙を使うので、今取りに来ます」

 最初にまとめて指示をして、そして作業をさせていくという方法が、どうしても固まっている。その方法をなかなか崩せない。

 そのように自分も教えられてきたのであろう。また、一問一答みたいに指示を出していくことを嫌っているのかもしれない。

 ★

 ところが、その初任者の先生、みごとに「一時一事の原則」を使った授業をした。

 書写の授業である。(1年生)

 ①まず、手本と練習の紙を配布した。(練習用の紙には、なぞれるように点々の文字が書いてある)

 ②「手本の題名のところだけを出して、あとは折り曲げなさい」と指示。題名だけが見えるようにする。

 ③練習用の紙と手本の置き方を指示。(右利きと左利きの子供それぞれに指示)

 ④「題名だけを書きましょう」「終わった人は、何度も指でなぞっておきましょう」

 ⑤「次に、一行だけ見えるように折りましょう」

 ⑥「一行だけ書きましょう」「終わった人は、何度も指でなぞっておきましょう」

 ………

 というように続く。それぞれの指示ができているか、全体を確認して進む。

 そして、最後に、自分の名前を書かせる。

 びっくりしたのは、一人一人の名前全員(40人)を先生が点々で書かれてあった。きちんと枠にあてはまるように書かせるためである。

 これで、練習は終わりである。クラス全員が、ぴーんと集中して取り組んでいた。

 そして、また同じように本番になる。今度は、点々がない。難しくなる。

 でも、一回目に練習をしているので、やり方はわかっているのである。

 みごとな「一時に一事の原則」を取り入れた授業であった。

  ★

 この原則の効果は、とても大きなものである。

 9月に実習生が来て、授業を見てほしいということで見たことがあった。

 指示がめちゃくちゃである。

 一つの指示を出し、またすぐに次に指示を出す。そして、また次に指示を出すというように授業は進むので、途中で子供たちがざわざわしだし、それを押さえるために、実習生は、大声をはりあげていた。しかし、どうにも押さえられなくて、進んでいくのである。そのうちに、子供たちは、手いたずらをしたら、おしゃべりをしたり……。

 「一時に一事の原則」を知らないのである。

この原則を知っていて、使えたら、この授業は大きく変わるだろうなあと思えたものである。

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