11月の「明日の教室」のお知らせです
京都橘大学の池田修先生のブログを開くと、「学級担任論」の話題が出ていた。
昨年から池田先生は、「学級担任論」の授業を始められた。
おそらく、この授業をしている教育系の大学は、橘大学だけではないだろうか。
池田先生は、ブログの中で次のように書いている。
「学級担任論の授業が始まった。
★
私が大学院に行った時、学校経営論の授業があった。それならば、学部には学級経営論や学級担任論があるだろうと思い、シラバスを確認した。しかし、なかった。とても驚いた。
(担任の仕事を教えないで、教員を養成するのか)
と。
嘗ては、先生は教科の教育を行えるようになれば授業は成立し、学級はうまく運営することができると思われていたのであろう。確かにそういう時代もあった。
しかし、いまはそれはありえない。モンスターペアレンツどころか、モンスターチルドレンまで出てきている時代に、学級担任の仕事とそのやり方、哲学等を学ばないで担任を持つなんてことは、かなり恐ろしいことである」
私もまた、ここで池田先生が言われていることに驚いた一人である。
教員を養成する大学で、「学級経営論」や「学級担任論」を教えずに、教壇へ送ろうとする大学のあり方が信じられないのである。
このブログで何度も確認してきたが、初任の先生にとって、一番の問題は、授業をどのように教えていったらいいかという課題ではない。
クラスをどのように運営していったらいいのか。クラスのやんちゃに対してどのように対処していったらいいかということである。
ほとんどの初任は、周りの先生達に教えられながら、あるいは自分の小学校時代を思い出しながら、何とかがんばろうとしている。
しかし、これだけ複雑になっている現場を乗り切っていくのは、並大抵ではない。
ほとんど初任は、何の武器も持たず、素手で闘おうとしている。
元気さとエネルギーがあればよかった時代は、もうとっくに終わりになっているのである。
当然、学級崩壊やその寸前という事態に陥る。
多くの若い教師達が、自分の理想と現実の壁との落差に驚きながら、教育界から去っていく状況は続いている。
★
この現状を何とかしたいと立ち上がったのが、京都の糸井登先生と橘大学の池田修先生である。
「明日の教室」という講座を設け、さまざまな人を呼んでいる。
私も、微力ながら全面的な支援をしている一人である。
とやかく文句を言っているだけではだめだ。まず一人から動き始めなくてはならない。
この講座は、きている人たちの熱気もすごいが、終わってからの懇親会がすごい。ほとんどの人たちが残られる。こんな楽しい懇親会は、そうそうにあるものではない。
何かを食べている暇もないほどに語り合う。野口芳宏先生の講座に行ったとき、旅館に帰って気がついたことは、ほとんど口にしていなくて、お腹がすいてすいて仕方なかったことである。
11月の「明日の教室」は、3人で行う。
糸井先生と池田先生と私の3人である。
「後輩教師に伝えたい 困難な現場を生き抜くための仕事術」
である。
ぜひ多くの方の参加をお願いしたい。
○11月15日(土)13:30から17:00
○京都橘大学
○参加申し込みは、池田先生のHPをみてほしい。
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コメント
野中先生、池田です。早速のご紹介、ありがとうございます。
ご紹介いただいたHPは、現在更新ができないでいますf(^^;。
申し訳ございませんが、
http://ikedaosamu.cocolog-nifty.com/kokugogakkyuu/2008/10/1115-47cf.html
を紹介して頂けませんでしょうか。
よろしくお願いいたします。
11月楽しみにお待ちしております。
投稿: 池田修 | 2008年10月 8日 (水) 12時35分
野中先生ご無沙汰しています。いろいろなツテでこのブログを発見し、密かに拝読していました。野中節はますます絶好調。本当に嬉しく思います。私も先生と同じような危機感をもっています。学級経営、学級担任、学級づくりを教えずに、現場に出す、今の教員養成のシステム、明らかに問題有りです。それで、私も、「勇気づけ学級づくり論」を大学院で開講しています。いずれ学部相手に授業をするこになります。そうしたら「学級担任論」らしきものを展開するつもりです。また、ご指導いただけたらと思います。
投稿: sinji-akasaka | 2008年10月 9日 (木) 11時17分
申し込み修了しました。
既に、9月には宿の手配も終わっています。
秋の京都と野中先生のお話、楽しみにしています。
投稿: J.SASE | 2008年10月 9日 (木) 17時10分
野中先生、糸井です。
いつも反応が遅くて御免なさい。
ご紹介、ありがとうございます。
今年も、また現場の最前線で戦っています。
是非とも、多くの若手教師に、いかに戦うかを知らせたいと思っております。
池田先生と、相談する中で、私は現場で勤めている立場で、池田先生は学生達を指導してみて、そして、野中先生は新人教師を指導してみて・・・と、少しずつ違った角度から話をしていけるのではないかと考えています。
多くの若手教師が、笑顔で教職を続けられるよう、どうぞ、お力をお貸し下さい。
11月、紅葉の京都でお待ちしております。
投稿: 糸井登 | 2008年10月12日 (日) 09時46分