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自分の学校に誇りを持つこと

  全国学校音楽コンクール<関東甲信越ブロック>を聴きに大宮まで行った。

 初任研担当教諭として勤めている学校が、神奈川県代表として参加しているのである。

 13校の参加であった。どの学校もすごいレベルであり、私は初めてこのような合唱を聴く経験をさせてもらった。

 本校は、惜しくも銀賞で、全国大会への参加を逃してしまった。(金賞へ選ばれた3校が出るのである)

 昨年は、全国大会で銅賞をもらっているので、今年は残念であった。

 コンクールは、今年の課題曲を歌い、もう一曲自由曲を歌う。

 本校は、自由曲を「生きる」という谷川俊太郎さんの詩に曲をつけたものを選んだ。

 難しい曲であった。でも、歌い終わった後、場内はざわつき、ため息がでて、ものすごい拍手であった。

 曲の迫力は、一番あったのだと思う。

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 再任用されて、初任研担当教諭として通い出して5ヶ月が経った。

 周囲の学校では、学級崩壊の嵐が吹き荒れているが、本校は別格である。

 688人の児童数。

 驚いたのは、5,6年の高学年の落ち着きである。

 30年前の子供たちを思い出したほどであった。

 おそらく、このような平穏状態を保っている学校は、もうそんなにないのではないかと思える。

 何がこんな落ち着きを子供たちに与えているのであろうか。とても興味をそそられた。

 最初に分かったのは、しっかりした家庭に支えられているということ。

 しかし、そんな学校は周りにはいくつもある。

 もっと決定的な決め手があるはずだ。

 それが、この合唱にあるというのを知るのは、数ヶ月経ってからであった。

 合唱を指導しているM先生(男の先生)は、音楽の専科の先生である。

 1年生の初任研の指導をしているクラスも、音楽の指導をされている。

 私は、二度その音楽の指導を参観した。一度目から二度目までいくらかの時間が経過していたのだが、その1年生は、ものすごい変わり方をしていた。

 歌い方で、高学年の口まねをしている子供が何人もいるのである。

 これには、びっくりした。

 もちろん、指導の仕方も唸るほどにうまい。それよりも何よりも、1年生の子供たちが、中学年や高学年の合唱をまねていこうとしている姿勢であった。

 本校の伝統がちゃんと生きている。

 それから高学年のクラスや中学年のクラスが、クラスごとに合唱に力を入れている状況が分かってくる。

 合唱が、この学校の子供たちの誇りであり、自分たちもそれに挑戦していこうとする気運が満ちていたのである。

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 この合唱の伝統を、見事にM先生は、本校に根付かせていこうとしていた。

 そして、それに子供たちは見事に応えようとしている。

 自分の学校に誇りを持つこと。それが合唱であった。

 これが、この学校に落ち着きを保たせている大きな要因の一つであると気づいた次第だ。

 改めて思うのは、歴史的に有名な学校は、表現(とくに合唱)を中核に据えながら学校作りをしていたことである。

 斉藤喜博さんの島小や境小、山梨の巨摩中などすぐに思い出すことができる。

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 私も、ささやかに取り組んだことがある。大池小での実践である。

 これは何度もブログに書いたことがある。

 赴任した初めの年の球技大会。他校との親善試合である。他校と言っても、1クラスだけの少人数のクラス。本校は、2クラス。

 ところが、サッカーもバスケも、ボロ負けであった。多分、一試合も勝てなかったと思う。

 「どうしたんだよ」という私の問いかけに、「どうせおれら、なにやってもだめだよ」という言葉が返ってきた。

 子供たちのこういう負け犬根性は、すべてに覆われていて、やる気と根気を奪っていた。

 私は、一人で陸上教室を始めた。

 夏休み中練習させて、横浜の大会へ連れて行った。

 積み重ねていくうちに、いい成績を収めてくるようになり、そのたびに校長先生から賞状を渡してもらった。

 陸上を熱心にやっている学校として認められるようになった。

 もはや、「どうせおれら……」という言葉が聞かれることはなくなった。

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 学校では、子供が誇りに思えることが必要だ。

 小さなことでいい。「うちの学校(学級)すごいんだよ」と、親などに誇れるものを持つことが大切である。

 

 

 

 

 

 

 

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