もっと子供たちに本の読み聞かせをしよう
担任の先生がお休みなので、補教で2年生の教室に行った。書き取りの自習をしていた。
「12時までに終えたら、お話をします。怖い話か、汚い話か、おもしろい話です!」と伝えると、「え~~~~」と期待の声、声。とたんに静かになって、一心に書き取りに取り組んでいる。
約束通り12時になって、いよいよお話の時間である。
「最初は、汚い話だ。『へびとう○○』です。○○は何でしょう?」
すぐに子供たちは、分かった。「うんこ」と叫んだ子がいた。教室は、笑いの渦。
私の十八番である。「これは、私が小学2年生の時のほんとうの話です。……」と話し出す。「先生、ほんとうにあった話なの?」「そうです。ほんとうにあった話です」……
私は、汗だくになり、迫真の演技で、盛んに笑いをとる。女の子も、男の子も、げらげらと笑い転げる。
へびから追われ、ズボンとぱんつをずりさげたまま、じいちゃんのもとへ逃げ帰る、その迫真の演技。思うように走れないために、つまづき倒れ、うんこまみれになりながら、必死に帰り行く、その姿。
15分ぐらいの時間であった。
★
次の日、学校へ行くと、担任の先生が、「先生、昨日は何の話をされたのですか。もう子供たちはその話でいっぱいで、3年の担任の先生は、野中先生がいいと言っております」と言われた。
私は、低学年は、「その場、おもしろ、理想主義者」と名付けている。
その場主義者、おもしろ主義者、理想主義者をつづめたものである。
この3つのことがきちんとできれば、低学年は、クラスがぐっと締まってくる。この3つを中心に据えると、あとは自然に波及していく。
その場主義者というのは、すべてその場で勝負する必要があること。
おもしろ主義者というのは、笑うことが大好きだということ。
理想主義者とは、教師が示していく目標にどんどん向かっていく心意気があること。
私は、汚い話で、子供たちを大いに笑わせたわけである。
★
子供たちに本の読み聞かせや、お話をしてあげるということが少なくなっている気がする。
特に、低学年は、大切な一つであると、考えている。
私が1年生を受け持ったときには、いつも定期的に本の読み聞かせをした。
ござを敷き、その場に子供を座らせて、読み始めるのである。
ござを敷くというのは、話の舞台作りである。
自分の娘にも、2歳の頃から同じようなことをしてきたので、読み聞かせをする本にも困らなかったし、お話にも困らなかった。
この経験が、子供たちとの関係作りを豊かにしてくれたのだと思う。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 「自己流」で身に付けた力量で対応できなくなっている!(2019.03.16)
- 『教師1年目の教科書』が重版になる!(2019.03.13)
- 再び横浜野口塾のお知らせです(2019.03.10)
- つれづれなるままに~飛行機ができてきた~(2019.03.09)
- 『教師1年目の教科書』(学陽書房)が発売される(2019.03.05)
コメント