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もう一度、全国学力テストを問う

  全国学力テストの続きである。

 家庭での生活環境や学習環境と学習習慣が、子供たちの学力に大きな影響があることは、確実に明確になったのだと思う。

 反対に、この環境と習慣がない子供は、学力は低下するということも確実である。

 ここまでは、文科省の分析結果で明らかである。

 そうならば、下位の都道府県は、このような環境と習慣を持っていない子供が多いと言えるのだろうか。

 私は、言えると考えている。(あくまでも推測で答えている)

 私が、大阪にこだわるのは、実はここにある。

 43年前の学力テストの時は上位争いをしていた大阪が、43年後に下位に沈んでいるというのは、なぜか。

 この43年間の間に、大阪では、子供の生活環境や学習環境や学習習慣が、改悪化する何が起こったのか。

 テストの目的、内容をきちんと吟味しなくて、おおざっぱにこんな問いかけを行っている。

 

 もう一つの問いかけがある。

 学力の向上という課題に、どれくらい「学校」が関与できるかということである。

 「何を言うのだ。学力をつけていくのは、学校の仕事だろう。何を今更そんな、当たり前のことを問いかけているのか」

と言われるのかもしれない。

 だが、分析結果から明確になっているのは、すべて家庭での課題ばかりなのである。

 もちろん、学校からの学習課題をどのように子供に出していくかが大切だと文科省は言っている。しかし、これは二次的な課題だ。

 問題なのは、次のような調査結果である。

 以前、このブログで紹介したことがある。アメリカ連邦政府の調査結果である。

「1964年にアメリカ連邦政府によって実施された『教育機会均等調査』(EEOS:通称コールマン調査)の報告書、通称「コールマン・レポート』は、子どもたちの学力を規定する要因の大部分が家族と子どもの仲間集団、すなわち地域であることを報告し、世界的な規模のショックを巻き起こした。貧しい家庭に生まれた子どもたちが再び貧しくなる確率は極めて高い。システム万能の時代にあって『偉大な平等化の装置』と期待された学校の実像は、階層の継承を支え正当化している『不平等の再生産装置』にすぎなかった。こうした理解は1970年代以降、多くの研究者に共有されている」(「効果のある学校」鍋島詳郎 解放出版社)

 1964年にアメリカ連邦政府は、コールマン調査で、学力を規定する要因の大部分が家族と子どもの仲間集団によることを明らかにしている。

 ここでは、「学校」がほとんど学力を規定する要因の中に入っていないことである。

 ちょっとびっくりする調査結果である。

 私は、にわかに信じがたい。どのような形で、報告がなされているのかも知らなくてはこれ以上の追求はできない。

 しかし、文科省の分析結果もまた、このコールマン調査結果の枠を越えることはできていない。

 だからこそ、もう一度問いかけたい。

 東北、北陸の都道府県の学力が高いというのは、どこに要因があるのか。その要因の中に、「学校」は、どのような形で、どのような関与をしているのか。

 この課題に切り込んでいくことが、最も重要なことであるはずである。 

 

 

 

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コメント

自己弁護をするつもりはありませんが、教師の質は今も昔もさほど変化していないと思います。なのに学力が下っている。今と昔で大きく変化しているのは、家庭と地域の環境ですね。地域の大人と子供にとどまらず、親子関係さえ希薄になっていると感じます。
しかし、今後は教師の質の低下が心配です。東京は1000人を越える大量採用時代に突入しました。競争率も二倍程度です。教育の質を維持するために、大量の新採をどう育てていくかが大きな課題だと感じています。

投稿: J.SASE | 2008年9月30日 (火) 21時00分

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