小学校で深刻な状況が広がっている~平成30年度の文科省の統計から~

 文科省から平成30年度の、校内暴力、いじめ、不登校などの統計結果が公表された。
 新聞では、いじめの増加を大々的に報道していた。

 私は、自分の目で統計を調べてみた。

 確かに、いじめの増加はある。
 しかし、一番注目したのは、小学校での「校内暴力」(学校管理下)の増加である。

 これは、平成27年度から増え続け、3年間ぐんぐんとのびている。
 昨年のブログでは、小学校に何かが起こっている、緊急事態であると書いている。
 

 今年はどうか。 
やはり、増えている。今回も、大幅に増えている。中高は、ほとんど変化がないのに、小学校だけがこのような変化を見せている。

 10609(平26)→15870(平27)→21605(平28)→26864(平29)→34867(平30)

もう間違いなく日本の小学校で何かが起こっている。
 そう考えていかなければならない。

 どこでこんなに増えているのか。
 
 都道府県別に見ていく。1000人当たりの発生件数が多い県。

  1位 青森県、島根県  13.6
  3位 神奈川県     11.5
  4位 岐阜県、高知県  10.5
  6位 沖縄県      10.0
  7位 新潟県       9.7
  8位 宮城県       8.5
  9位 京都府       8.3
  10位 静岡県       8.0

 ベスト10はこうなる。

 特徴的なことは、都市圏から離れたところで多くなっていることである。

 ★
 神奈川県は、つねに上位を占める。
 それは、指定都市の状況を見れば分かる。横浜市と相模原市の発生件数の多さがそれを示している。

  1位 横浜市      20.5
  2位 新潟市      15.0
  3位 相模原市     13.4
  
  4位 仙台市      12.8
  5位 広島市      10.3


 一方、いじめはどうか。

 ①いじめの増加も、ほとんど校内暴力と同じ伸び方をしている。
  この相関は何か。
  11537(平26)→12785(平27)→14334(平28)  →15791(平29)→17145(平30)
 
②いじめの学年別認知件数の順位は、次の通り。

  第1位 小2(82360)
  第2位 小3(80821)
  第3位 小1(76893)
  第4位 小4(73980)
  第5位 小5(63465)
  第6位 中1(50259)
  第7位 小6(48738)
  
いじめの低年齢化が進んでいる。
  数年前までは、中1がトップだったのが、小2、小1が多くなっている。

 これらの状況から予測されることは何か。

 ア 校内暴力の増加と、いじめの増加は、同じ相関をしていることから
   確実に、小学校では、学級崩壊が増えていると考えられる。
   学級崩壊が起こると、そのクラスでは、必ず深刻ないじめが起こるからである。

 イ しかも、それは、都市圏から地方へ広がっている(決して都市圏が少なくなっているということではない)。

 ウ このまま増えていくと、学級崩壊段階から学校崩壊段階へ進んで
   いく学校が増えていくと予想される。

 エ 10年以上前では、小学校は高学年が学級崩壊の中心であったが、
   今では低学年化している。


 こういう流れの中で、神戸の事件が起きている。
 神戸の東須磨小学校が、「職員室崩壊」を起こしていたことと、まさに相似形のような形で、校内暴力が増え続けている。
 
 何が問われるのか。
 恐らく、今までのやり方が、ほとんど通用しなくなっているということではないか。
 
 どんなことが、どのように通用しなくなっているのか。
 本腰になって、取り組んでいくことなのである。
 

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神戸市立東須磨小学校の事件を受けて(3)~同僚性の問題を突きつけた~

 37年間の教師生活で、最後の勤務校O小学校に赴任した。
 荒れまくった学校で、「3年学校」と呼ばれていた。先生たちが、3年間しか居着かない(居着けない)のである。

 高学年を受け持つ女性の先生は、子供たちから殴られるという事例はさまざまにあり、まともにクラスを維持していくのは大変なことである、と言われた学校である。

 赴任した最初の始業式で、居並ぶ子供たちのばらばら感には、びっくりしたものである。350人ぐらいの学校。

 さまざまな改革が行われた。
 2年間で、落ち着いた学校へ生まれ変わった。

 これをなしとげたのは、管理職を中心とした全職員の団結であった。
 「こんな学校だからこそ、先生たちがまとまらなければならない!」という思いが、それぞれの先生たちに強かったわけである。

 さまざまな改革が行われた中で、その1つが「職場づくり」であった。
 ★
 私が退職をするその年に、北海道から石川晋先生が、私のクラス訪問に見えた。
 石川先生は、朝早く来て、校長室から職員室をじろじろ眺めていた。
 「野中先生、この学校の先生たちは、朝から賑やかですね。職員室のあちこちで、うるさいほどにさまざまな会話がなされている。驚きました。」と。

 「これが学校では普通ではないんですか?」

 「いやいや、学校によっては、ほとんど会話がなく、職員室が凍り付くような感じの学校がありますよ。」と。
 
 O小学校では、朝の職員室で、にぎやかな会話がなされている。学年を越えて、さまざまな先生たちが交流していたわけである。

 ★
 これはO小学校での「職場づくり」が成功していたわけである。

 「職場づくり」とは、先生たちの中に「同僚性」をつくりあげること。
 基本は、学年の枠を越えて、さまざまな先生たちが、ぺちゃぺちゃとおしゃべりを交わし合う関係をつくりあげることなのである。
 ここから始まる。

 職員旅行を変えた。
 他の学校は、もう廃止したところが多かったが、これを変えた。
 日本全体のおもしろいところを訪問した。
 職員旅行を変えるための3条件。
 1つに「食べ物が美味しいところへ行くこと」、2つには、「みんなが行ったことがないところ」、3つには、「みやげものが良いところ」などである。

 長崎へ行った。大分の別府温泉へ行った。黒部ダムへ行った。
 ほとんどを飛行機で行った。
 毎月、積み立てをしたからである。
 回数を重ねるごとに参加する人たちが増えていった。

 この職員旅行は、学年を越えて「同僚性」を培う、もってこいのもの。
 ★
 「職員旅行の復活をすべし!」という提案をしているのではない。
 
 先生たちの他愛ない、おしゃべりが、学校の中で交わされる関係がつくられることが、同僚性の始まりであること。
 そこからなのである。

 もし、このような同僚性が、東須磨小学校に根付いていたならば、4人組が自由にやりたい放題をすることを防がれていたはずである。

 このような組織風土があったならば、このような事件は起きなかったはずである。
 この4人組の事件は、私たちに「同僚性」の問題を突きつけたのだと、私は考えている。(完)
 

 
 

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神戸市立東須磨小学校の事件を受けて(2)~その鏡に何が映っているか~

 今回の暴行事件で、大きく注目したのは、こういう無軌道な犯罪まがいの事件が、学校現場で公然と起こっていることについてである。
 
 これは、決して特異な事件として見てはならない。
 この事件は、多くの学校現場の状況を「鏡」として映し出しているのではないか。その「鏡」に、何が写っているのか、それが重要であると思われたからである。

 私が注目したのは、他の教職員の対応であると書いた。
 校長に告発してもダメだということは分かりきっていたが、教育委員会に告発してよかったはずである。
 もし、被害者の親が委員会に通告しなければ、事態はどうなっていたのだろうか。
 
 被害者は、学校へ行かないという選択をしたから良かった。もし、無理をしてこのまま続けていたら、自殺などの更に不幸な事態を招いていた恐れがある。
 ★
 他の教師たちに何が起こっていたのか。
 校長や4人組の強権的な独裁体制で、学校では、ほとんどが「沈黙」を強いられていたはずである。

 その沈黙が、あるべき、まともな支援を(密かに委員会に通告することなど)決定的になくさせていっている。
 ここまで来ると、おそらく学校現場に広がっている事態ではないか。どうだろうか。
 
 今回の極端な事例は、極端であるということで、強烈に現場に広がる「沈黙」の有り様を、「鏡」としてあぶり出した、と考えている。

ただでさえ「自閉」的である学校現場が、この「沈黙」でさらにさまざまな働きを削ぎ落としていっている。
 
たとえば、子供についてのちょっとした情報交換、職員同士の個人的なちょっとした情報交換、……さまざまなことが削ぎ落とされていく。
 
 それだけではない。大切な人間的同僚性(困っている周りの先生を助ける)もまた失っていっている。
 これが、ほんとうは一番深刻なことである。

 ★
 職員室へ行けば、誰もが無口で、ただただ黙々とパソコンに向き合っている。
 隣の先生とも、何のコミュニケーションもない。
 
 夕方、職員室を訪れた、ある新聞記者は、そこここにほたるが止まっているように見えたと語っていたことがある。

 仕事があるから仕方がない、ということになる。

 教師一人ひとりが孤立し、学年を越えて話をするということが限りなくなくなっている。ばらばらである。

 この状態を、4人組につけこまれている。
 というより、この学校の独裁体制が、結果的にこのばらばら体制をつくってきた、とも受け取れる。

 繰り返しになるが、今回の東須磨小事件は、現在の学校現場の有り様を、「鏡」の形で映し出したのではないか。
 私には、そのように思えてならない。

 神戸市の久本市長は、今回の事件を受けて、総合教育会議を17日に開くと発表している。
市長は、「教育現場や教育委員会の組織風土に大きな問題があると考えざるを得ない。組織風土改革に向けた取り組みをどのように行うのか、端緒となるような議論をしたい」と述べた、と(10/10神戸新聞)

 私は、なかなかの見識であると考えた。がんばってほしいものである。
                     (つづく)
 *10/16のNHK朝のニュースで、他の教師も被害を受けたことが報道されていた。やっと他の教師たちも被害を明らかにし始めている。

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神戸市立東須磨小学校の事件を受けて(1)~どこに一番注目したのか~

 神戸市東須磨小学校の教員間暴行・暴言問題は、大きな問題として広がっている。文科省も、この反響に驚いて、乗り出している。朝日新聞は、10/14の社説にこの問題を掲げている。
 この問題は、さらに大きな事件として広がり始めている。

 最初から、この問題について注目してきて、さまざまなニュースを目にしてきた。
 
 世間の人たち、あるいは多くの先生たちが、注目してきたのは、「なぜ、あんなひどいことをやったのだろうか、やれたのだろうか?」ということだったように思われる。
 学校の教職員は、まさかあんなひどいことをやらないだろうという不文律が共通理解として存在していたからである。

 今回の問題は、3つのことで起こっている。

 ①校長、教頭の管理職が、学校の管理体制を支えていない。
  
 ②学校の中心メンバーの4人組が、被害者の男性教員をターゲットに
  執拗ないじめを行っている。

 ③他の教職員が、これほどの暴行事件が行われているのに、誰も外へ
  通告をしていない。
 
①と②は絡み合っている。③は、4人組が、他にも被害を与えている教職員がいるということであるが、何も声が上がっていない。
 この3つが一つでも機能していれば、今回の事件は起きなかったはずである。

 ★
 ①の問題について、校長が、被害者の先生の訴えにきちんと対処しておけば、今回の問題は起こらなかったはずである。
 
 今回の問題は、人事の神戸方式が大きく影響を与えていると、神戸市の教育委員会は明らかにしている。
 ★ ★ ★
 神戸方式とは、教諭本人の異動希望に基づき、現在の勤務校と異動先の校長が人事の素案を作り、それを市教委が追認する独自の慣行。1960~70年ごろに始まったとされる。優秀な教員を招き入れようとする校長の意向が強く働いて人事の公平性が失われる上、招かれた教員が校内で強い力を持つこともあり、今回の問題でも温床の一つと指摘された。 
              (YAHOOニュース 10/11配信)
 ★ ★ ★
 この神戸方式のようなことは、日本全国どこでも行われていることで、果たしてこれが原因をつくったのかは、疑わしい。
 
 ただ、前校長が、4人組と結託して、被害者の先生にまったく耳を貸さなかったというのが大きな問題である。
 
 ここには、本来行うべき管理職としての任務を放棄している前校長と現校長の存在がある。
 管理体制の崩壊である。
この問題がマスコミに大きく取り上げられて、校長は、早速4人組を子供たちから離し、自宅待機にさせている状況から、これが本来の管理者として
の任務だったわけである。
 これができるのである。
 この指導の気持ちで、事前に4人組に対していたら、事はこのようにマスコミで取り上げられることはなかったはずであるから。

 ②の問題について、ここにみんなの眼が向けられている。
 「どうしてあんなひどいことができたのか?」と。

 4人組は、中心が40代の女性教師と予想される。
 この女性教師が、他の3人を仕切っているように見える。
 
 本来ならば、学校の中心メンバーである、この4人組は、子供たちのためにいかに学校をまとめていくかということに腐心しなければならなかったはずである。
 それにもかかわらず、あろうことか、放課後、被害教師を呼びつけて、さまざまな暴行(いじめというより犯罪である)を繰り返している。

 なぜ、あの教師がターゲットになったのか。
 
 被害にあった教師は、3年目の先生。4年生から担任をしている子供の一部を受け持ち、そのまま5,6年と持ち上がっている。現在は、6年生担任。子供たちからも、保護者からも評判がよく、子供思いの良い教師だったというニュースが流れている。

 4人組にとっては、真っ当に教師をしている被害教師が目障りだったのではないか!
 「あいつ、むかつく。ちょっとかわいがってやろうや!」と。

 自分たちの思い通りにならない教師が、こうしてターゲットになった恐れがある。

 校長からの全面的な支援を受けて、4人組は、やりたい放題であったことが伺える。

 問題は、なぜこれほどの理不尽な暴力を3年目の先生にできたのかということである。
 ここは闇である。
 この4人組は、熱心な教師たちで、子供たちにも人気者であったという報道はなされている。
「いやがっているとは思わなかった!」と頓珍漢な反応をしているらしい。
 これが、本当の思いなのか、不思議な感じである。

 ただ、この中心メンバーというのは、危険である。
 ましてや、ほとんど校長の管理が効いていないと、ここまで暴走する。
 
 はっきりしているのは、ここまでひどくないにしても、「ああっ、うちの学校にもある!」という先生は多かったのだろうと思える。
 いじめにあっている教師はざらにいる。
 ただ、表面化しないだけである。

 ★
 私が、今回の問題を受けて、一番注目したのは、実は③の問題である。
 これほどの暴行事件が、他の教職員に知られず、密やかに行われていたとはとても思えない。
 知っていたわけである。
 しかし、ほとんど沈黙していた。
 
 学校長に通告することは、ダメだと分かっていても、教育委員会に通告することはできたはずである。
 
 実際に、被害者の先生の親が、委員会に通告して、今回の問題が明らかになっているわけであるから。
 
 しかし、他の教職員は動いていない。
 これはどういうことだろうと、私は強くひっかかったわけである。
                           (つづく)

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つれづれなるままに~最大のスーパー台風が近づく~

●季節外れの暑さが続いている。
 今日は、10月5日(土)。天気予報では、今日も32℃の暑さになると報じていた。
「こんな暑さはいつまで続くんだ!」と、暑さに弱い私は、ぶつぶつと不満を感じる。
 そんな朝。ふと玄関を開けて、空を見上げると、何とも言えぬ空の青さ。
「ああっ、秋の空だ!」
と、しばし眺める。何か幸せ感がいっぱいに広がる。

 101歳で亡くなった家事評論家吉沢久子さんは、その著『すっきり生きる言葉』(主婦の友社)の中で、次のように書かれている。

 「美しいものは、どんな小さなものでも見逃すな」

 吉沢さんは、次のように言う。

「文芸評論家の夫が、生前しばしば言っていたこの言葉が大好きだという。
 『美しいものというのは人の心でもあります』。美しいものを見つけて、心を瑞々しくさせ、幸せを膨らませること。これは、よりよく生きるための技術だと思います。」と。
 ★
 何でもない「日常」を生きていて、そこでぶつかる「美しさ」に眼を留める。その幸せ感に浸る。

 こんな簡単な所作が、自分の「日常」を豊かにする。
 吉沢さんは、「よりよく生きるための技術」だと言っている。
 
 歳を取ると、こんな感覚が失われていく。自分でもよく分かる。
 
 今日は、この青空を何度も見つめて、幸せ感を感じることにしよう。
 暑さへの不満をそばへおいて……。
 
●9月最後の日。
 近くのスーパーへ行くと、すごいお客さん。
 大量のトイレットペーパーを買い漁る主婦。100均の店も、長蛇の列。
 明日から消費税が導入されるので、すこしでも安いうちに大量に買い込んでおこうとする庶民の気持ちである。よく分かる。

 でも、400円のトイレットペーパー1年分12パックを買ったとしても、96円分程度。100均で100個買い占めても200円程度。
 そのくらいの利益にしかならない。
 虚しいことだと思いつつ、私もついついトイレットペーパーとティシュペーパーを買ってしまう(笑)。

●今回の19号の台風について、アメリカNASAは、地球史上最大の台風だと言っているらしい。
 おい、おい、大丈夫かなと思ってしまう。
 横浜にはまともに来てしまう。
 午前中から小屋を紐でくくって留めたり、植木鉢をしまったりの片付けはしているのだが、あとは、どうしていいものか困惑している。停電を考えなければならないので、2,3日分の食料がいるなと思い、買い出しに行く。
 逸れてほしいと願うばかりだ。

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初任の先生はどこで授業につまずくのか(2)~一人研究授業を実現する~

 さて、初任者の授業の課題は、そんなところにはない。
 まず、基礎・基本の課題を乗り越えて行かねばならない。

 それが以上にあげた3つの相談になる。

 講座の最後に、「授業が上手になる、とっておきの方法とは?」という課題を上げた。
 「一人研究授業」なのである。
 講座に参加された先生の2人も、これをやられていた。
 自分の授業をスマホに録音して、それを聞くという、ただそれだけの作業である。
 誰にも迷惑をかけない。

 だが、これがむずかしい。
 1人の先生は、10分しか聞けなかったと言われていた。

 最初に自分の授業を聞く先生は、15分と持たない。
 「私の声は、こんな変な声なの。冷たくて、変な声だ!」と言うことになる。
 よくしゃべっていて、それでも何を言っているのか分からないところもある。

 「あなたが15分と聞けない授業を、子供たちは5時間も6時間も聞いている。何としたことですか?」と言うことになる。

 実は、初任者に(初任者でなくてもいいが)自分の授業を続けて聞かせていく方法が、どんな授業研究よりもすぐれていると、私は思っている。

 でも、勧めても1回か2回やって、それで終わる。
 自分の授業を聞くことは、難行である。
 それほどに辛いことなのである。
 だから、続かない。

 それでも、このことがどれほど効果的か、はっきりしている。
 
 それは、これが一番自分の授業を客観視できるからである。
 自分では、自分の授業は自分でやったのだから分かっていると思っているが、実際の授業と思っている授業とは、別物である。
まったく違うものであると思った方がいい。

 だが、続かない。
 今日、この「一人研究授業」を勧めたが、1回ぐらいは実践する先生はいるが、続ける先生はほとんどいないと、思っている。
 それほどにむずかしい。

 帰りの車で、指導主事の先生から、「これは大切なことなので、強制的に続けるシステムを考えた方がいい」と提案があった。
 その指導主事の先生も、ぜひとも「一人研究授業」をやらせた方が良いと考えられているのである。

 どうするか。いろいろと相談した。
 「もう学校の初任者指導の一環として組み込んだ方がいい」というのが、一致した考えになった。

 誰に迷惑をかけることもない。
 月に一度スマホに自分の授業を吹き込んで、自分でそれを聞く。
 そして、その感想を初任者指導の先生に渡し、教頭、校長に見てもらう。
 これを12ヶ月続ける。
  
 大切なのは、「聞いて感想を書く」という作業をさせること。
 できれば、指導の日の放課後に、指導の先生と一緒に聞くという時間が取れれば、一番良いのかも知れない。

 ★
 この「一人研究授業」は、やろうと思えば、いますぐにでもできる。
 教育委員会は、初任者指導の一環として、これを組み込めばいいのである。

 もしそれがない場合、校長やあるいは指導教員だって、初任者にこれをやらせることはできる。
 感想用紙1枚をつくってあげて、聞いた感想を書かせればいい。

 1回目をちゃんと聞かせれば、2回目からは、めあてをもって録音すればいい。
 口癖を直すこと。「えっ~~」とか「はい」とかの余計な言葉を直すこと。
 ……。めあてはいくつも出てくる。

 これを「味噌汁・ご飯」授業研究会で、それぞれがやった経験によれば、
「あまりしゃべらなくなる」という感想を語っている先生たちが複数いたことである。

 私は、今でもさまざまな学校で授業をさせてもらう。
 必ずICレコーダーで録音して、何度も聞く。

 無意識に話していることがかなりある。
 これを何度もやって、「最近、授業が上手になっている」(笑)と思う日々である。
 
 
 
 

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初任の先生はどこで授業につまずくのか(1)~考えているよりも課題はずっと手前にある~

 兵庫県三木市に初任者授業研究会に出かける。
 もうここには、10年ばかり毎年出かけている。
 3時間かけて新幹線で行き、新神戸に、指導主事の先生に車で迎えにきてもらって、それから三木市まで40分ばかり。

 

 今日は、初任の中学の先生が、国語の授業をされる。
 指導案を見ると、アクティブ・ラーニングに挑戦される授業であるらしい。楽しみにして出かける。
 
 参加する先生は、初任者の先生たちが5人ほど。あとの先生たちは、臨任の先生が数多いということ。23名。ほどよい人数である。
 ★
 中学の先生の授業(2年生)は、平家物語を教材として使われていて、今日は、討論の授業。
 「那須与一の行動に賛成か、反対か?」という課題。
 
 これは難題である。
 先生は、ネームプレートを使って賛成・反対を表示させ、すべての子供たちに積極的に学習に参加させようと意図されているが、なかなか盛り上がらなかった。
 
 授業をした初任の先生(女性)は、大学出たてで2年生の担任をされている。これだけでも大変なことである。
 それでも、堂々とした振る舞いで、みごとに学級運営をされているという感じを受けた。
 ★
 今日の講座のテーマは、「授業を成立させるための基礎・基本」。
 
 私は、初任者指導をここ20年以上勤めてきたことになる。
 そこで初任者が授業のどこでつまずくのか。まとめると、3つある。

 

 次のような相談になる。
 
 相談1 毎日の授業では、ついつい教えることに夢中になって、1時間の授業が終わっても、「まとめ」までいかないことがたびたびあります。だから、残りを宿題にしたりしています。1時間できっちり終わる手立てがありますか。

 

 相談2 いつも、ついついしゃべりすぎてしまい、時々ふっと子供たちの顔を見ると、つまんない顔をしていることに気づきます。なんとか「しゃべりすぎてしまう」くせを直したいのですが、どんな手立てがありますか。

 

 相談3 いつもは、挙手する子供を指名して授業をすることが多いです。でも、多くの子供たちに手を挙げるように何度も励ますのですが、どうしても4,5人の挙手になってしまいます。どうしたらいいでしょうか。
 この相談に、自分たちはどのように克服する手立てを考えていくのかを相談してもらい、発表してもらうという形で、講座を進める。

 初任者指導の先生たちは、ここに多くの初任者がつまずいているのに(初任者は、つまずいているとは思っていない。意識さえしていない。)、この段階をすっとばして、もう少しレベルの高いことを教えようとする。
 だけど、うまくいかない。

 

 課題はずっと手前にあるのである。
 実は、私も、現役の頃は、こんなところに課題があるとは思っていなかった。
 初任者の数多くの授業を見てきて、「ああっ、考えているよりもずっと手前に課題があったのだ!」と気づいたわけである。

 

 こんな段階なのに、どうしてアクティブ・ラーニングの授業ができるのであろうかと、私は思ってしまう。
 ここに大きな勘違いがある。

 

 アクティブ・ラーニングの授業を実践しようとして、ワークショップ型の授業をしようとする。それを続けていけばできるようになると思っている。
 エセ授業(それに似たような授業)ならばできる。
 
 一斉授業がきちんとできなければ、アクティブ・ラーニングの授業などできるはずはない。
 このように私は考えている。
 討論の授業は、高段の技術が必要なのである。
 それはそうであろう。たとえば、クラス全員の子供たちを、討論の授業に巻き込んでいくことなんてよほどの力量がないとできない。
大切なのは、全員参加の授業なのである。

 

 クラスの10人程度の討論(これでもむずかしいのだが)ならば、努力すればできていく。しかし、全員を巻き込んでいくとなると、これは簡単なことではない。

 

 丁寧に小集団活動を積み重ねていってできていく段階なのである。
                        (つづく)
  
 

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つれづれなるままに~初任者指導の先生へ向けての本を書いています~


●小学教諭、実質倍率1・9倍 県来春採用、実技全廃も低下止まらず
9/27(金) 21:07配信
熊本日日新聞

小学教諭、実質倍率1・9倍 県来春採用、実技全廃も低下止まらず

 熊本県教委は27日、来春採用予定の2020年度県公立学校教員採用試験の合格者を発表した。小学校教諭は312人が受験し、168人が合格。受験者数を合格者数で割った実質倍率は1・9倍となり、記録が残る1994年度以降、初めて2倍を下回った。

 県教委は、こうした実態を踏まえ、近く教員志望の学生らを対象にアンケートを実施。教員の仕事や試験に関する意見を集め、今後の施策に反映するという。

 県教委によると、近年はベテラン教員の大量退職が進む一方、企業の積極採用などで受験者が減少。政令市となった熊本市教委が独自採用を始め、同市以外の教員を採用するようになった13年度試験の実質倍率は4・6倍だった。

 県教委は今回、小学校教諭の試験で実技を全廃。他県の現職教諭の年齢制限も緩和したが、倍率低下に歯止めはかからなかった。

 県教委は「倍率低下は全国的な傾向。九州の他県に比べると高い数字で、一定の成果は出ている」とする一方、「低下傾向に危機感を感じている。子どもと共に成長できる教員の魅力をアピールし、志願者確保に努めたい」としている。
.
20年度試験は全体で1494人が受験し、334人が合格。実質倍率は4・5倍で、前年度より0・5ポイント低かった。熊本市教委は10月4日に合格者を発表する。
.
● 明治図書から来年3月刊の「初任者指導」の先生向けの本を出版することになった。
『新卒教師時代を生き抜く 「初任者指導」術 』(仮)である。
 小島康親先生と共著での出版。
 11月が原稿の締め切り。これから、2ヶ月間で書き上げなくてはならない。
 今まで教育界では、初任者指導の先生へ向けた本は出されたことがない(多分?)。
 初めての本を出版することになる。
 今まで出してきた初任者指導の集大成になる。
 がんばって書き上げたい。

●多賀一郎先生のブログに、次のようなことが書かれていた。
 
 教師を辞めるということ
若い先生が辞めた。
モンスターにやられたと言っていいだろう。
僕から見ていても限界だった。
休職を薦めたが
思い切った。
熱心で子どもを大事にする先生だったが、
だからこそ、やっていけないこともある。
管理職はフォローせず、個人の責任を問うだけ。
責任?
完璧なことなんて、誰にだってできない。
そのために管理職がいるんだろうが・・・。
責任を追及するだけの管理職の方が無責任である。

教師だけが人生ではない。
未練があれば少し離れてから再起すればいい。
別の人生を歩んでもいい。
前を向けば、いくらでも道はある。

 
●世界陸上大会がドーハで行われている。
 私は、陸上が大好きで、興味をもって見ているのだが、今回の大会はさんざんな大会になっている。
 
 問題は、暑さ。
 女子のマラソンは、午後11時59分の出発というから、これも異常。
 気温32,7℃、湿度73.3%。
 しかし、68人の出場者のうち4割の28人が棄権したという。
 完走率58.8%。
 
 天満屋の竹富豊コーチは、「もう二度とこういうレースは走らせたくない。昼間だったら死人がでたはずだ!」と。
 
 スポーツライターの谷口源太郎さんは、次のように言っている。

「国際大会で棄権者が続出なんて聞いたことがありませんが、東京五輪でも同じことは起こり得ます。暑さは人の力で容易に克服できませんから。メディアは五輪に向けて盛り上げ報道ばかりですが、選手が自らの生命を守るために『こんな環境で競技はできない』と声を上げてもいいと思います」

 東京オリンピックも、同じような条件になる。
 これは、大変なことだな、と。

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「算数学力向上メソッド」の実践 その感想~「ときかたハカセ」がポイント~

 
 「算数学力向上メソッド」の実践について、H校長先生から、次のような感想をいただいた。

 ★ ★ ★
 例題指導の指導案、ありがとうございました。
 いくつか感じたことを書きます。

(1)学習課題、めあては、「比の一方の量」という表現が難しいかな
(2)教科書の配列が、今一かな
   線分図で比の関係性をとらえさせるようになっていますが、あれだと、あの線分図を基に答えを導く考え方もありです。
(3)A:Bは、BはAを基にするとB/Anの考え方はとても難しいので、スルーして正解
(4)例題指導だけでも20分以内に通過するには、相当のスピードがいるかな
   と、自分で先生のをパソコンに打ち直しながら感じました。

ある程度の指導力が必要だとも思いました。
私が打ったデータを添付します。
その中にも感想を入れています。
「トキカタ博士」のイメージができたのが一番の収穫です。
 ★ ★ ★
 さすがに、多くの実践を経てきた先生である。
  この指導案、20分で収まるかどうかも指摘通りであろう。
 
 この指導案は、「味噌汁・ご飯」授業として短時間でつくりあげたもので、70点の授業を想定している。
 だから、さまざまに課題があるであろう。ほぼ教科書に沿って作成しているからである。

 共同研で6年生の先生に実践してもらいたいと思っている。 

この指導案を参考に、共同研をやっている1年生の先生からも実践の報告がこれからあると聞いている。楽しみである。

 共同研究をしているM先生から、ブログの感想が届いた。
 M先生は、昨年に続いて4年生の担任をされている。教科書は、教育出版。

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 野中先生は、INがなされている(?)がPUTがなされていないことに言及されていましたが、私のほうで、少し手ごたえがあったことをお話しします。

 先週、式と計算の授業が終わったのですが、昨年と比べて出来が悪くなかったのです。
 昨年と大きく指導の仕方を変えたのが「とき方はかせ」、分配の法則⇔結合の法則の変換の式などの暗唱を多く入れたことでした。隣の子と、覚えるために何回も交互に暗唱するとさすがに嫌でもINPUTやOUTPUTします。間違えて覚えていても隣の人が、修正をかけてくれるので誤学習も防げた感じではありました。
 ちなみに、表面の平均は昨年が74.55だったのに対し、今年は89.16でした。やはり、INPUTとOUTPUTの質が問われるのだと思います。低学力児の平均は7割強、また上位、中位の子が取りこぼしも少なかったことも大きかったです。
 ただ、この単元は、昨年は夏休みをはさんでしまった単元なので、昨年と比較するには他の要因が大きすぎるので、比較してしまうのはどうかとも思います。同じことを概数を使った計算で行っているので、ここでも検証しようと思います。
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「ときかたハカセ」をどのように料理していくのか、さまざまな実践が出てきている。
 これからに期待したい。

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事務連絡です!

「算数学力向上メソッド」の実践で、資料の送付をしましたが、1人だけリターンで返ってきた先生が
おられました。どの先生か分かりません。まだ届いてない先生は、もう一度連絡をください。

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